2020-05-05
「 一番火」の後にだけ行われるのが「整形」です。「修繕」とも「こすくり」とも呼ばれます。焙乾を終った節の中には身が欠けていたり、傷がついていたりするものがままあります。それをそのままにして次の工程へと進めば、欠損した箇所から身割れがおきたり、欠損箇所が拡大するおそれがあります。それを防ぎます。
整形は「焙乾」の終わった翌日に行われます。使われるのは、中落ちの肉と頭の肉です。中落ちとは、「生切り」の際に三枚におろしたときの中骨のことで、そこにまだ肉がたくさんついて残っています。また頭の肉ですが、これも「生切り」の際に切り落とされたものが使われます。頭の上部と下部にはまだたっぷりと肉がついています。中落ちの肉を節を煮熟する際にいっしょに煮熟しておき、残ったこれらの生肉といっしょにまぜ合わせます。こうして準備を整えてから、修繕に移ります。欠損した部分に竹ベラや木じゃくしなどで、ペースト状になったすり身を埋め込んでいきます。そのあと水で湿らせた和紙を貼っておきます。
修繕のほどこされた節は、さらに焙乾が繰り返されます。