2020-05-02
「 籠立て」を終えた煮籠は重ねられ、80℃の湯をたたえた煮釜の中で煮熟されます。煮籠を煮釜の中におろしてから、湯の温度を80℃から98℃にあげます。100℃にしないのは、そうすると釜の底から大きな泡がたち上がり、節が動揺して煮くずれがおきやすくなるからです。
煮熟する時間は亀節と本節とで異なります。亀節は1時間、本節は1時間半が標準になっています。煮熟の目的は、筋肉中の水分が拡散しやすいように、タンパク質を十分に凝固させることです。その結果、よく肉のしまった、また苦味などのくせのない上等なかつお節ができ上がります。
煮熟し終えたら、煮釜から煮籠をとりだし、風通しのよい所に置き、一時間風にさらします。この作業が「放冷」です。これによって身をひきしめます。そうしてできた節がなまり節です。